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科学技術は、日本では「受験勉強のための手段」あるいは、「国または企業が経済的に豊かになるための手段」としてとらえられています。
それに対し、デンマークでは科学技術は「自分の生活を豊かにするため」にあります。
したがって、日本では官庁や企業の技術者や研究者の科学知識は低くないと思いますが、一般の人の関心は低い。
これに対し、デンマークでは一般の人でも環境問題等に関心が高く、大人の科学知識が高くなっていると思われます。
学校の勉強や受験のために一生懸命覚えたり、詰め込んだりするだけだから、大人になると関心を失い、知識を失う。
自分の生活とは無関係で、受験や経済のためだけに必要な学問知識を、デンマークのグルントヴィに習って「死んだ知識」と呼んでいます。
それに対し、生活に身近に役立つ知識ならば誰でも興味を持ち、一生素直な興味でもって学び続けるはずです。これが「生きた知識」です。
今の日本の学校教育で与えられている知識の多くが「死んだ知識」になってしまいがちです。
子ども達は自分たちの生活と何の関係もない知識を毎日毎日詰め込まれて行くうちに学習意欲を失っていき、極端にいえば受験勉強や就職のため以外の勉強をしなくなってしまいます。
受験勉強もなく試験もなくのびのびと育っているデンマーク人の科学知識レベルが世界トップであることに驚きません。
彼らは死んだ知識を詰め込まれるという経験をしていないので、社会に対して素直な興味があるからです。
自分の健康や環境、社会に関して問題意識を持ち、問題を解決し、より豊かな生活を実現するためには人はどうすればいいのか、またその中で科学技術をどう位置づけるべきかといった課題は全ての人にとって身近な課題であり、学者だけでなく、政治家や一般の人でも当然の興味の対象であるのです。
出典
炭谷俊樹 第17号 (2001年9月4日) 学力低下再考 〜デンマークの教育から見えること〜
より読みやすくするために、一部修正しております。
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